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野村不動産鑑定士セミナー(1)

野村忠弘不動産鑑定士のセミナー(1)

セントーサランド㈱社HPへの第1回目投稿記事は、不動産鑑定士とは?不動産鑑定評価とは?どういった時に利用するの?について、簡単に説明することから始めたいと思います。

不動産鑑定士という言葉を耳にされたことがあると思いますが、TVでお馴染みの「何でも鑑定団」に登場する「お宝鑑定士」が、特に難しい焼き物、掛け軸等本物か偽物か真贋を判定すると共に流通価格を示唆するように、一言で言うと、不動産鑑定士は不動産の目利きであり、文字通り不動産の価格・評価についてだけでなく、適正な利用についての専門家ということになります。 

つまり、不動産鑑定士は、地域の環境や諸条件を考慮して「不動産の有効利用」を判定し、「適正な地価」を判断する人で、さまざまな分野で活躍しています。

もう少し詳しく言えば、土地・建物・借地権・底地等不動産の価格や家賃・地代を評価すると共に国や都道府県が土地の適正な価格をー般に公表する為の地価公示や地価調査を始めとして、公共用地の買収評価、相続税路線価、固定資産税標準宅地評価、裁判上の評価、会社合併時の資産評価、現物出資の評価の他、不動産に関するカウンセリング等広く国または地方自治体等の公共団体や民間の法人及び個人からの多岐、多様にわたる求めに応じ、鑑定評価業務を行う人のことです。

不動産に関する専門家である「不動産鑑定士」はあなたの身近で活躍し、あなたの不動産の良き相談相手なので、専門的、難しい、敷居が高い、等と遠慮せずに、気楽にご相談下さい!

次に不動産鑑定評価と値付けはどう違うのでしょうか

不動産の評価または単なる値付けは、言ってみれば誰でも如何様にも求めることが可能ですが、そこでは公平性・公正性、妥当性・適正性等に欠けることが屡々です。

それに対して、不動産鑑定評価とは「不動産の鑑定評価に関する法律」に基づいて専門家である不動産鑑定士が、少し難しい表現ですが、「不動産の経済価値を判定し貨幣額で表示する」ことであり、不動産鑑定士以外の者が不動産鑑定評価を行うことを禁じています。

鑑定評価を行うには十分な市場分析、精度の高い評価手法の適用・説明責任を要求する「不動産鑑定評価基準」に基づかねばならず、これにより公平・公正性、適正性等が保持されます。

不動産、特に土地は利用して初めてその価値が出てくるものですが、いろんな大きさ、形、平坦か傾斜地か、道路状況はどうか、日照・通風状態はどうか等の個別性と、どのような地域にあるのか、例えば山間部にあるのか、農村にあるのか、都市にあるのか、その都市内でも商業などで賑やかなところか・閑静なところか、交通利便性はどうか等の地域性を有するので、これらの要因を社会的、経済的、行政的な側面からの要因と併せて分析の上、価格・賃料を公平・適正に判定します。

つまり、専門的に言えば難しい表現ですが、「この社会に於ける一連の価格秩序の中で、その不動産の価格・賃料がどのよう所に位置するかを指摘する作業」であり「高度な知識・豊富な経験・的確な判断力を持ち、これらが有機的総合的に発揮出来る練達堪能な専門家によりなされる時、初めて合理的・客観的に論証できる」ので、依頼をこなす時は、何時も身が引き締まる思いです。

不動産の適正な価格を求める仕事は、早くから金融機関における不動産の担保評価、行政機関における税務、公共用地の取得、売却、管財等に伴う評価、不動産の仲介、管理、訴訟に伴う評価として行われてきたところです。

しかし、昭和30年以降我が国の急速な経済成長が、都市への産業・人口集中に伴う宅地需要を要因として地価高騰を招き、これにより公共用地取得費の増大、宅地入手難と劣悪な住宅地形成、投機的な土地取引等、国の経済の健全な発展と国民生活の安定に多大な影響を及ぼしてきた事態に対処する必要があり、宅地流通の円滑化と宅地価格安定に資する為、不動産鑑定評価に関する制度を整備・発展させ、合理的な土地価格の形成を可能にするべく、昭和38年「不動産の鑑定評価に関する法律」所謂不動産鑑定法が公布、翌年不動産鑑定評価基準が制定された経緯があります。

従って比較的新しい制度・職業と言えます。

次にどういう時に鑑定するのか説明したいと思います。

1. 相続などでの不動産の適正価格を知りたい・・・路線価よりも時価が著しく低い場合特に広大地、路地状敷地(旗竿地)の場合、鑑定書を添付すれば相続税額が安くなることがあります。また相続が発生し遺産分割の際時価で分けるので、路線価や固定資産税課税証明書等で処理すると不公平な結果となることから、後に相続人間でトラブルになることもあります。

2. 売買・交換したい・・・・不動産を売りたい・買いたい・交換したい時に価値や価格について自分で納得して行動したい場合、法人では社内決裁に於いて妥当性検証・説明の為、また取引先・利害関係者等(所謂ステークホールダー)への妥当性検証、説明責任、透明性確保等の為に行います。

3. 会計処理の為不動産価値を把握したい・・・固定資産の減損会計適用(減損兆候把握、減損損失認識

の判定、減損損失の測定)、販売用不動産の低価法適用、賃貸等不動産の時価注記等の為に行います。

4. 不動産を担保にしたい、重要な担保不動産につき外部の検証が欲しい・大部分は内部で自己査定して

いても、重要なものは公正性確保の点からも外部評価が求められます。

5. 経営合理化等の為に所有不動産の実態調査、評価を行いたい・・・・不動産の清算価値を把握しない

とどうするのがベストなのか判断できないことから、鑑定を行います。

6. 民事再生計画の中で不動産の評価を行いたい・・財産評定の作業で重要な不動産については、不動産

鑑定士の評価が必要になります。

7. 現物出資、会社合併、営業譲渡に当たり不動産の評価を行いたい・・不動産鑑定士の評価が必要です。

8. 適正な地代・家賃を知りたい・・・・地代・家賃の新規設定、改訂交渉時の紛争解決の為に行います。

                                    以上

 

 


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