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ニュース&トピックス

野村不動産鑑定士のセミナー(土地価格とは)

(株)アプレイザルリアル東京
野村忠弘
不動産鑑定士
bright-tadn122@kmh.biglobe.ne.jp

 

               土地の価格とは

 

経済学上完全競争下に於いては、一般諸財の価格は需要と供給の交わる点において均衡し、これが価格となり「一物一価」の原則が貫かれるのが通常です。

 ところが土地の価格には、巷間言われるように、4種類あり、土地の価格が多くあることを不思議に思うと同時に分かり難いかもしれません。  しかし現実には、土地については「一物四価」という言葉が存在し、1つの土地に対して異なる4つの価格があることも事実です。

さらに、不動産鑑定士による鑑定評価額を加えると、以下の通り五価になります。

そのような次第で、今回は土地の価格を取り上げたいと思います。

 

まず不動産の特性、不動産価格の特性から見ていきたいと思います。

1.不動産の特性

不動産の特性は、少し専門的・難しくなり恐縮ですが、大きくは自然的特性、人文的特性、地域性に分けられます。

 

自然的特性は、若干の例外はありますが、地理的位置の固定性、不動性、永続性、不増性、個別性等があり、固定的であって硬直的と言えます。

人文的特性は、用途の多様性、併合・分割の可能性、社会的経済的位置の可変性があり、可変的であって流動的と言えます。

地域性とは、個別不動産は他の不動産と無関係に存在するものではなく、自然的特性、人文的特性の全部または一部を共通にすることによって、他の不動産と共にある地域を構成すると同時に、その地域の構成分子として地域との間に色々な関係に立つことです。

 

2.不動産の価格の特性

不動産、特に土地はその自然的特性の一つである個別性のゆえに、その価格は個別の取引の場において形成されるのが一般的です。

このような個別的相対取引においては、取引当事者の「特殊な事情」、例えば売り急ぎ・買い進み、縁故関係等が取引価格に影響を与えることが多く、そこで形成された価格は必ずしもその不動産の適正な価値を反映するものではありません。

つまり、不動産はその特性ゆえに合理的な市場を持たず、市場機構を通じて正常な価格は自然には成立しないと言えます。

 

不動産の場合にはその特性のゆえに一般諸財のような取引市場を持つことが困難であり、仮に持つことができても、局地的な不完全市場であり、適正な市場価値が形成される合理的な市場を持っておらず、従って一般の人々は容易に不動産の適正な価格を取引市場の取引価格を通じて識別・判断できないということです。

 

3.不動産の価格の一物五価とは

既述の通り、次の5つに分かれます。

①実勢価格

実際の市場取引において形成される価格で、時価或いは相場と言われるものです。

特別な事情等がなければ実情に近いものと言えますが、取引件数が少ない場合は必ずしも当該地の適正な価格とは言えません。

また呼び値という言葉もありますが、売り希望価格同様、漠たるものであてになりません。 

 

②公示価格・基準値価格

国または都道府県が標準地・基準地を選定、毎年1月1日・7月1日時点の価格を求め、春(4月頃)・秋(10月頃)に公表されます。

これは不動産鑑定士が鑑定するもので、市場取引等でも参考にされ公的指標として信頼できるものですが、定められた地点に於ける価格なので、それ以外の地点では補正しなければなりません。

 

③相続税評価額(路線価)

定められた地点の不動産鑑定士による鑑定評価額をベースに、相続税算出基礎とする為の毎年1月1日時点の価格で(公表は春)、ある地点(何丁目)からある地点(何丁目)まで一定範囲の道路に面する土地の価格です。

路線価は相続税額算出用・徴税目的のもので勿論時価ではなく、通常住宅地であれば長い距離に亘って同じ価格になりますが、商業地ではその逆です。

標準地価格の80%が路線価と言われます(逆に路線価を0.8で割り戻したものが標準地の価格となります)。

路線価自体は同じ道路に面し一定区間内であれば同じであり、また道路に面する土地とその奥(裏)の土地では価格差がない、という問題があります。

自己の土地の路線価による価格は、個別性(接道長さ・形状・大きさ等)を反映させる為所定の補正率表に従って計算されますが、一律機械的に行われ、言わば机上計算に過ぎないので実態とかけ離れる場合、厳密には当該地の適正な価格とは言えません。 

特に大規模な土地(面大地、広大地とも言います)、私道付き宅地(所謂旗竿地)等において路線価による価格と不動産鑑定士の評価額が異なることがあります。

その結果、不動産鑑定士の評価額が路線価による価格よりも低ければ、納付税額は安くなることになります。

 

④固定資産評価額

固定資産税の算出基礎とする為の土地価格で、徴税目的の相続税路線価と同じような特徴があります。

固定資産税評価額は3年毎に見直されます。

大雑把に当該地価格の70%が固定資産税評価額と言われます(逆に固定資産税評価額を0.7で割り戻したものが当該地価格となります)が、相続税路線価と同じような問題点があり、厳密には当該地の適正な価格を表示するものとは言えません。

 

⑤鑑定評価額

不動産鑑定士が不動産の適正な価格を求める為、鑑定評価基準に則って=合理的な市場の代行をして不動産の正常な市場価値を示す価格を求めるもので、原則として費用性、収益性、市場性という価格の三面性からアプローチします。

得られた価格は、合理的な市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正かつ客観的な価格と言えます。  

以上

 


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